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はにわの館に行ってきた

  

更新日 2010-10-25 月曜日


作者: こじま

古来の生活を現代の私たちに伝えてくれる大切な「はにわ」

馬や人型など様々なものがあり、どれ1つとして同じものはない。という

見ていても飽きないものです。


今回はそんなはにわを自分自身の手で作れてしまうという

とても珍しく、そしてとても貴重な体験のできる

埼玉県は行田(ぎょうだ)市にある「はにわの館」にお邪魔しました。

(財団法人行田市産業・文化・スポーツいきいき財団より撮影許可を頂いております。)




はにわの館

この横には広場があって子供たちが遊んでいました。


最寄り駅のひとつ行田駅(JR高崎線)で降りここへの行きかたを聞いていると

バスが数分前に出てしまい、次は3時間後ということでした。

しかし、なんと市でレンタサイクルをしているということなので貸していただきました。

なんと、このレンタサイクル。無料でした!

そして、その自転車で約30分かけこのはにわの館に到着しました。

道を隔てて反対側には日本最大の円墳や国宝で古代史の重要な資料になっている

稲荷山古墳鉄剣がある「埼玉古墳群」があります。


今日は団体客(主に小学生)がいなく、私だけでした。

ちなみに、団体客の予約状況などははにわの館のホームページに載っています

不安な方は予約しておいたほうがいいと思います。私も予約していきました。


はにわの館

中は空調もきいていてとても快適でした。


受付でではまず、使用する粘土の量を聞かれます。

量には2種類あり、1キロ600円2キロ1000円があります。

重さで変わるのは出来上がりの大きさと作る時間くらいです。

私はせっかくなので2キロにしました。


ちなみにこの受付の前においてあるはにわは2キロでは多分作れません。

あと、レンタサイクルはここでも借りられますしここで返却もできます。


はにわの館

団体のときはきっと人で溢れかえると思います。


ここが作成する場所となります。

誰もいない時でも常に作成道具は準備されていてとても親切です。

奥にははにわを焼く釜などがあります。


はにわの館

ネットやテレビなどで見たことのあるはにわがたくさん。


その作業場の周りには他の方が作ったはにわや、

スタッフの方が見本として作成したはにわがたくさん置いてあります。

作りたいはにわを考えていない場合はこれらを参考にしてみるといいかもしれません。


下の段の灰色のはにわは乾燥している最中となります。

はにわの乾燥には約1ヶ月ほどかかるとのことです。それから焼きます。


はにわの館

はにわの中で最もポピュラーな「踊るはにわ」。


左側が1キロで作ったお手本、右側は2キロとなっています。

このお手本を実際に見て、随分と大きいなぁ。と思いました。

もちろん、2000円を払えば4キロという大作も可能ですし、

20キロとかも可能ですけど多分20時間くらいかかるんじゃないでしょうか。


はにわの館

道具のバケツや茶碗にはかわいいキャラクターが。


これらが作成道具となっています。ろくろは最初、どう使うのかわかりませんでしたが

作業を始めてみるとなければならないくらい便利な道具だと実感しました。

その他、歯ブラシ、串などどう使うのか最初は分からないものがあります。


それでは実際に作成していきましょう。

まず最初にスタッフの方に一連の説明をしていただいてから作成なので安心です。


はにわの館

はにわの皆さんが私のことを見つめています。


最初はねんどをよく練ります。約20回ほど練るのですが、

この作業を適当にしてしまうと後々困ってしまうのでしっかりとやりましょう。

手がかなり汚れてしまうので爪が長い人は切っておきましょう。


はにわの館

時間が前後している気がしなくもないですが大丈夫です。


まず、粘土を適量ちぎってこういう風に「ひも」と呼ばれるものを作ります

これを丸くして上に重ねて行くことにより高くしていきます。

そして重ねるごとに外側と内側をしっかりと固めていきます。

また、厚みに大きな違いがあると焼いたときに割れやすくなってしまうそうです。


はにわの館

ろくろの本領発揮の瞬間。


そしてとても重要なのがこの作業。

よくはにわなどって表面に線が付いていますよね。

あれは木の跡なんですが、今回も木片でそれを付けていきます。

この作業はこの後も何回もやってくとても大切な作業です。


はにわの館

右に置いてあるのは私のバッグです。


だいぶ大きくなってきたので、次に腕をつけます。

この腕も「ひも」を使用しています。


歯ブラシに水をつけそれではにわの表面をこすることで

粘土を少し溶かし腕がくっ付くように糊みたいにします。

そして、そこに腕を付け付け根の周りをよく補強していきます。


はにわの館

かなり真剣になってしまいます。一人だからでしょうか?


そして、頂上まで重ねてっぺんの穴を塞ぎ木片で綺麗に整えていきます。


この時、はにわの館に老夫婦がやってきました。

どういう施設か知らなかったようでスタッフの方に説明されると受付の前のはにわを見、

次に私のはにわ作成をじっくりと見ていました。

すると突然、


「どこかで何年か修行なされたんですか?」


と聞かれました。Yシャツにネクタイだったのでスタッフの方と間違えられたのかなと思いつつ

逆になんだか申し訳ない気持ちになりながらも「今日が初めてなんです」と正直に答えました。


これを知人に話したら「はにわ作りの才能あるんじゃない?」と言われました。

また作ろうかな…


はにわの館

作成中の写真は全てスタッフの方に撮っていただきました。ありがとうございました。


そして、てっぺんに「まげ」を付けていきます。

この時も歯ブラシを使って粘土を溶かしてくっ付けていきます。


まげの後に「腰紐」「鎌」「ロープ(?)」「耳(?)」「鼻」も各パーツを作成し付けます。

勿論、自分の発想でここら辺は色々と変えられると思います。

ちなみに鼻は作り方が分からず悪戦苦闘しました。


はにわの館

2キロぴったしで作成完了しました。


そして約2時間半かけてやっとこさ完成しました!

目は各パーツを付けた後に開けました。

本物の「はにわ」は目が左右非対称とのことなので非対称風にしました。


作成が終了した後は使った道具を水道でしっかりとたわしで洗い、

自分の手も石鹸でしっかりと洗っていきます。


はにわの館

ピザなども焼けそうな窯ですね。


こちらがはにわを焼く窯となっています。意外と小さかったです。

私のはにわ君もここで焼かれます。楽しみです。



ということで、今回も施設のスタッフの方にインタビューを実施しました。

答えてくださったのはずっと写真を撮って頂いていたスタッフの方です。


■昔はエネルギーがあった


――どんな層の方がいらっしゃいますか?

「小学校6年生の団体さんですね。」


――社会科見学ってことですね。一人で来る方っていますか?

「あ、いますよ。いつも無言で作って無言で帰っていく方。

 でも、作っているときはとても嬉しそうにしていますよ(笑)」


――常連さんということですね。ところで、ここの一番の見所ってどこでしょうか?

「そうですね…ここの粘土は自然の土を使っているってところですかね。

 あと、こういったはにわを作れる施設って珍しいのでそれが見所ともいえますし、

 いろいろなオリジナリティのあるはにわを作れるというところもですね。」


――なるほど。ここで一番作られるはにわの形ってなんでしょうか?

「やっぱりあの「踊るはにわ」とか「馬」ですね。

 あと、よく小学生などがキャラクター(ピカチュウとかドラえもん)を作ったりしていますね。」


――ところで、一番好きなはにわってありますか?

「群馬の伊勢崎に相川考古館っていうところがあるんですが、

 そこは「個人」ではにわを保管しているんですよ。

 それでそこにある「琴をひく男」というのが好きですね。

 良かったら今度見に行ってみてください。とても大きい(72cm)はにわですよ。」


はにわの館

これが「琴をひく男」。国指定重要文化財です。



――はにわにまつわる思い出ってありますか?

「昔、かなり前ですけど今より環境問題がうるさくなかったころ

 窯でなく外で焼く「野焼き」というのをやっていたんです。

 外で焼くと色が均一でなくなってとても味が出るんです。

 それにとても大きいはにわも作れたんですよ。

 あの頃は若くて時間もエネルギーもありました。

 だからあの頃が一番楽しかったですね。」


はにわの館

これらが野焼きで焼いたはにわ。とても大きくて素晴らしい。



――ちなみに、はにわを作った後の使い道ってなんでしょうか?

「やっぱり庭に置いていただいている方が多いと思いますね(笑)。

 他には(壺の)はにわに土を入れてプランターにしたり、

 中にハーブやお花を入れたりして部屋にいい匂いを供給したりですね。」


はにわの館

これをプランターにしたらなんだかタイムスリップできそうですね。



――最後に、はにわとかに関する「夢」ってありますか?

「日本のどこかにはにわ公園とかそういったものが出来るとしたら、

 是非参加して、自分の作ったはにわを提供したいですね。」


――素晴らしい夢ですね。本日は本当にありがとうございました。

「ありがとうございました。」





数ヵ月後…





はにわ

いつものことながらとても荘厳な雰囲気の埴輪の館。


また訪れたこの館内に入り、受付にて前回貰った受付票(?)みたいなものを渡すと

埴輪がたくさん並んでいる棚へ案内されます。

そして自分で彫った受付番号(私の場合は373)がある埴輪を見つけます。

私のは、結構大きめの埴輪だったので探しやすかったですが、

小さい埴輪だと同じものが多くて探しづらいかもしれません。

個性的な埴輪なら探しやすいかもしれません。


はにわ

こうして見るといまいち分かりませんがかなりでかいです。


焼く前と比べるとかなりが違うのが分かると思います。

あの粘土の塊からこんなものが出来るなんてすごいですよね。

昔の人はこれを何百個と作るんですからとてつもないです。

ちなみに係の人からは「お腹割れちゃってますね。でもいいと思います。」

というなんともありがたいお言葉をいただけたりしました。


はにわ

はにわの館の紙袋とかも作ったらいいと思います。


本日の行程で一番大変なのが、埴輪の持ち帰りです。

陶器なので簡単に割れてしまいますし、調子に乗って大きく作ったので尚更大変です。

こちらでは紙袋と新聞紙を用意していただき、

新聞紙に埴輪をぐるぐる巻きにし、紙袋に入れて上をテープで留めるという

とても頑丈なものにしていただきました。


そして係の方達に別れを告げバスに乗って帰宅しようとしたのですが、

とてものどかな地方故にバスが1時間後という事態になってしまったので

こちらに埴輪の紙袋を預かっていただき、

道路を挟んで反対側にある国の史跡「さきたま古墳群」を見学しに行きました。


はにわ

観光客はほとんどいませんでした。ハイキング(?)されている団体さんがいました。


この武蔵国最大の前方後円墳である「二子山古墳」や、

日本最大の円墳など様々な古墳がありました。

しかし結構広くてじっくり見れませんでした。

なので、また来る機会があればその時は時間がある時がいいです。


はにわ

埴輪がめっちゃコミカルですね。柔らかそう。


そして古墳や近くの休憩所などで時間を潰し、

埴輪の館で彼を受け取り、どこかにぶつけないよう気をつけながら帰りました。


私は今回やりませんでしたが、この焼きあがったら取りに行く方式だと

取りに行ったときについでにまた埴輪を作ってまた取りに行って……

という無限ループが可能となっています。

前回のインタビューで聞いた常連さんもそんな感じなんじゃないでしょうか。




ということで、埴輪を家に持ち帰り封印を解きました。

そして、帰ると途中ずっと閉じ込めていた寂しさのせいかとんでもない事態が…!

はにわ はにわ
はにわ はにわ
はにわ はにわ

無駄に360度!


なんと新聞紙から取り出したところ左腕が取れてしまっていました。

しょうがないので100均の瞬間接着剤でくっつけようとしましたが、

やっぱりほとんどくっつかなかったので

しかたがなくテープをぐるぐる巻きにしてあります。

今度ちゃんとした接着剤を買ってきてくっつけたいと思います。


そして肝心の大きさですが、このローソンで買ってきた午後の紅茶と比べると

その巨大さがよく分かると思います。

しかも結構重たいです。これで2キロなのか分かりませんが重いです。


はにわ

目がロンパリ気味になっています。


埴輪を作ったはいいもののどういった使い道があるのか

いまいちわからないので、とりあえず外に置いてみました。


はにわ

秋の味覚は栗よりも芋の方が好きです。


庭に埴輪がある家もあまりないと思いますが、あるとかなり存在感があります。

とりあえず魔除けには効果がありそうな風貌なのでいいですね。


はにわ

後から見ると修復作業の傷跡が…


あと、やっぱり同じ土から出来たものなので地面の茶色がよく似合いますね。

10体くらい並べて庭に置いといてみたいですね

そう思っていると、また作りに行こうかなぁと思っちゃいます。


はにわ

もずくは最近太ったみたいです。私と同じです。


ちなみに、庭などに犬がいるご家庭などでは犬によって埴輪が粉砕されたり

倒されて崩壊する恐れもありますのでご注意ください。

もずくさんに見せに持っていったところ埴輪の匂いを嗅いで

食べ物じゃないと分かると興味を無くして立ち去りました。食いしん坊


はにわ

私のメガネは顔が大きい人でも安心してかけられる仕様です。


メガネは少し大きかったみたいですね。

もっと大きく作ればメガネをかけさせられるという

とても素晴らしいことになると思いますが、

中が空洞なのでメガネをかける意味があるのか疑問視されています。




「さきたま古墳」に来てもあまりこちらには注目されませんが、行ってみると素晴らしい場所でした。

そういえば、私が行く数日前に「MJ日経流通新聞」にこちらが取り上げられたそうです。

行くまで知らなかったのですが、素晴らしいです。

その記事は受付の前の掲示板に貼ってありますので行く機会があればご覧ください。

ちなみにここの住所は「埼玉県行田市埼玉」といいます。おもしろいですね。


はにわの館のスタッフの方々、撮影、インタビューなどご協力本当にありがとうございました。


はにわの館

世界遺産を目指しているっぽいです。



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